高校野球 秋の都大会 小山台対早実2013年10月20日 09:21

昨日は、高校野球秋の東京大会を観戦に
江戸川球場へ行って参りました。

昨年のこの大会は日体荏原高校を中心に
観戦していましたが、先週小山台高校を
観戦した縁から、今年は小山台高校を中心に
観戦することに決めました。

人気の早実の登場とあって、江戸川野球場は
たくさんの人で賑わっています。
小山台は相変わらず緑色のTシャツを着た
父兄集団が大挙して押し寄せております。
一方の早実側の応援は人数は小山台ほどでは
ありませんが、Wの帽子をかぶったコア過ぎる
関係者風のおじ様たちが多かったです。
ただ期待していたチアガールとブラスバンドが
いなかったのはとても残念でした。

さて早稲田実業対小山台高校です。

結果的には、9対5で小山台高校が勝利しました。
記録だけ見ているとエラーや四球が多く、締まりの無い
試合に思えるかもしれませんが、現地で見ていた限りでは
熱のこもった大熱戦でした。
恐らく、緊張感や相手プレッシャーが大きかったので
ミスが多かったのでしょう。
それだけ、力と力が正面からぶつかった
好試合だった、と言えるかもしれません。

小山台が善戦し、勝利した理由は、辛口に言えば
早実の監督采配にあったのではと思われます。

早実は、野球界の横綱らしく振舞い、小山台に稽古をつけてあげたが
逆に足元を掬われてしまった、という印象です。
昨日から2連戦ということもあって、早実はベストメンバーとは
思われない(背番号だけで判断していますが)控え中心の構成で
試合に臨み、エースを温存しました。
この監督采配が、両校の力関係を互角にし、皮肉にも
おもしろい試合を演出してしまったと感じました。
エースを温存しても何とか勝負できる、と踏んだのが甘かったのです。
相手を侮ったとの誹りを免れないでしょう。
とはいえ小山台の勝利の価値を貶めるものではありません。
主力が登場した中盤以降も主導権を握り続けて渡さなかった
小山台の健闘は、目を見張るものがありました。

勝負のポイントは、7回表の小山台2番打者の特大の
本塁打にあったと思います。
5対2の段階であれば、打撃力のよい早実であれば
終盤、十分に逆転できる点差です。
(小山台は、終盤、エースが疲れて制球が高めに浮き、
 それを痛打されて逆転される、というのがこれまで
 何度も繰り返されてきた負けパターンであり、この試合も
 ある意味、その流れに沿った試合展開でした)
この本塁打は、小山台から見れば、終盤を打撃戦に持ち込むという、
これまでの負けパターンでない、新しい試合の流れを作った
価値ある一打であり、
早実から見れば、エースが完璧に捉えられたことにより、
エースだけでなくブルペンで投球練習する早実投手陣に
焦りとプレッシャーを与えるダメージの大きな一打になりました。
かくして終盤はバタバタの打撃戦となり、
焦りの出た横綱がミスから自滅し、敗北したという
想定された展開で幕を閉じました。

早実は、4番打者が際立つ存在感を示していました。
1人だけプロの選手が混ざっているのでは、
と思われるほどの差を感じました。
東京でこのような超高校級の打者はいままで
いなかったのではないでしょうか。

小山台はよく頑張りました。エースは、いつものように
低めの直球がよくコントロールされ、見ていて本当に
気持ちよい投球でした。
課題は、エース以外の投手陣の整備かあるいはエースの
スタミナでしょう。
やはり、終盤になると必ず直球が浮いて痛打される
パターンに嵌ります。一朝一夕にできることでは
ありませんが、夏までにはもう1人くらい投手を育成しないと
連戦には厳しいでしょう。
とはいえ、今大会に限っていれば、今日の試合が雨で中止になるという
神風も吹いています。次の日大豊山戦は大一番になると思いますが
旋風を巻き起こして欲しいと願っています。